筋本農園について

南高漬が出来るまで



1.収穫

6月は収穫の季節です
最も忙しい時期ですが、1年間頑張って育てた梅が収穫出来る嬉しい時期でもあります。今年も良い梅が出来ますように。

1.収穫準備

完熟収穫された梅は熟しきっているのでその日の内に漬け込まなければなりません。この作業は丁寧かつスピーディーにこなさなければなりません。

2.成熟

梅が熟してきました。収穫用ネットが敷き終わる頃、熟した梅は少し黄色みを帯び、表面に艶が出てきます。(6月中旬頃~)写真のように梅が黄色く熟してくるとそろそろ梅が落ち出し、本格的な収穫シーズンの到来です。6月初旬にも落ちる梅が有るのですが、これは早熟の梅で梅干に加工しても柔らかく漬け上がらない為、南高漬にはなりません。

3.収穫

落ちた梅は、傾斜地なら写真のように一番下まで集まってきます。この完熟し落ちた梅は1日2回全ての畑を回って収穫されます。多い日にはコンテナに200杯以上(4トン)の南高梅が収穫されます。集められた梅はその日の内に選別・選果・洗浄され梅干として漬けこまれます。

次の工程

1.選果・洗浄機

収穫された梅に対してまず最初にすること。それは選別です。選果・洗浄機は、文字の通り選果と洗浄を同時に行う機械です。とても大きくて大掛かりな機械ですが、みなべ町のほとんどの梅農家はこの機械で選果・洗浄をしています。

2.選果

選ばれた梅だけを使用
完熟収穫された梅は熟しきっているのでその日の内に漬け込まなければなりません。この作業は丁寧かつスピーディーにこなさなければなりません。

2.梅の選別・洗浄

さらに選別。選別台で、傷の有る梅・つぶれた梅を抜き出します。洗浄機(右の写真)は、ブラシを回転させながら水をかけて梅を洗浄します。黒い部分がブラシです。収穫された梅に傷が付かないよう洗浄出来る工夫がされています。

3.選果機

選果機へと送られた梅は、大きさ別に分けられます。選果機は大きさ別に穴が開いていて梅を大きさ別に選り分ける仕組みになっています。右の写真は選別・洗浄・選果された梅です。大きなコンテナに入れられて梅倉まで運ばれます。

次の工程

3.漬込み

収穫した日のうちに
漬け込みは永年の経験と勘が要求される工程です。収穫した梅をその日の内に選別・洗浄・選果し、漬け込みしなければならないので夜遅くまでかかることがあります。

1.塩分20%で漬込み

梅倉へ運ばれて漬込タンクへ粒の大きさ別に4L・3L・2L・Lと四段階に分けて、漬け込まれます。この時点では梅250Kgに対して塩50Kg(約20%)の割合で漬けこまれます。(粒の大きさ別に若干塩の割合を変えています)。使っている塩は原塩と呼ばれる海水から取り出された塩です。写真のようなタンクが7本もう一回り大きなタンクが17本あり、最大70トンの梅を漬込むことが出来ます。

2.昔ながらの石

タンクが一杯になると板でフタをして重石の河原石を乗せます。重石に河原石を使うのは昔と変わっていません。プラスチック製の重石もあるのですが、園主曰く、河原石は大きさがマチマチだからこそ大きさの異なる石を組み合わせることでバランスよく、また細かい微調整が効くそうです。フタをして重石をかけ終るとポンプで循環をします。タンクの下から梅酢をくみ上げ循環させることにより早く塩を梅になじませることができます。また循環することによりタンク内の塩分濃度を一定にする事が出来ます。

3.琥珀色のブランデー

まるで琥珀色のブランデーのように良い色でしょう。思わず飲んでしまいたくなるような色ですね。この梅酢が澄んでいれば澄んでいるほど良い漬かりなのです。左の写真と比べて重石を減らしているのが判るでしょうか?45cm程沈んだところで3分の2くらいに重石を減らします。重石を途中で減らすことにより紀州梅干、独特のふっくらした梅干に仕上がります。

次の工程

1.緊張の瞬間

梅雨が明けた7月下旬、漬込みタンクのフタを開けます。漬上がりが悪いと梅が潰れてしまいほとんど製品にならない事があるので、フタを取る瞬間は永年梅干作りの携わっている私達も緊張します。この時点では、梅はまだ黄色で、天日に干され乾いて干し上がるにつれ、梅干本来の肌色に変わっていきます。

4.天日干

太陽の力で梅干しへと
梅雨があける7月下旬頃、いよいよ梅干作りの最終工程・天日干が始まります。真夏の炎天下で梅達は鍛えぬかれ、味・色ともに最高の紀州梅干へと成長して行きます。

2.天日干

軽く水洗いしてセイロ(写真左)に並べられた梅は梅干用の温室ハウスへ運ばれて一面に並べられます。この梅干用の温室ハウスは窓や入口を締め切ると室温70度以上になります(※1)。この温度と強い日差しによって梅は鍛え抜かれ、本来の紀州梅干らしい肌色になります。※1温室の室温を計ろうと温度計(MAX50度計測可能)を設置しましたが室温計が振切って壊れてしまいました。

3.梅独特の香

温室に入ると生梅独特のいい香りが漂っています。昔から炎天下の梅干作業で、日射病で倒れた人はいないと言われています。この香りのおかげでしょうか。1日干すと写真の様に少し肌色になってきます。この後紙のシートを敷いて裏返し、ムラなく梅干が乾くようにします。

次の工程

5.熟成・脱塩

熟成と特許取得の脱塩
成長に眠りは欠かせません。太陽をいっぱいに浴びて育った梅たちも、熟成という名の眠りにつきます。その期間は、実に約1年。その間に梅は、内に込めた旨みをさらに増していき、目覚めた後は特許取得の脱塩行程が待っています。

1.熟成

干し上がった梅干は、さらに徹底的に厳選(固い梅、傷の有る梅、潰れた梅を取り除きます)され10Kgの樽に詰められて梅干貯蔵庫に運び込まれます。梅干貯蔵庫は窓が少なく熟成中の梅干に光が当たらない様にしています。※ここで約1年間の熟成の眠りにつきます。その後、南高漬は2次加工で塩分を下げて調味され、白干梅は熟成後、小分けされお客様の元に出荷されます。

2.水洗い

1年間寝かされた梅干は熟成倉庫から出され水洗いされます。

3.脱塩行程

水洗いの後、特許工程の脱塩工程へと移ります。この工程では塩分・酸分(クエン酸)を下げると同時に南高漬としての下味をつけます。この際に効果を発揮するのが、特許を取得した当園の脱塩行程技術です(下記)。

4.調味行程(南高漬)

南高漬としての味をつける工程です。材料には味醂・ハチミツ・天然昆布エキス・黒砂糖を中心に使用します。高級な調味材料を使用することでコクのある味ながら後味がサッパリします。また調味工程でさらに塩分を約9%まで下げます。調味工程12日の漬け込みで南高漬は出来上がります。

次の工程

6.樽詰め・出荷

そして皆様のお手元へ
いよいよ最終工程。繰り返し行ってきた選別をまたまた行い、選び抜かれた梅だけを樽詰めです。お客様の喜ぶ顔を想像しながら、おいしく育った梅を、ひとつひとつ丁寧に詰めてゆきます。

1.樽詰め作業

調味工程を終えた梅干は手作業で樽詰めされます。このときにB級品・つぶれ梅等を選別します。(選別は白干梅時点2回、水洗い時、樽詰め時の計4回行います)厳選され厳しい規定をクリアした梅のみが南高漬となります。

2.出荷作業

当園は包装・のし紙・紙袋等ほとんどの行事ごとに対応できるよう努力しております。また出荷についても商品数が少ない分、納期が早く、お客様にストレス無くお届けさせて頂いております。


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